お口の健康維持によって生活を楽しく~高齢者歯科~
「クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)」という言葉を耳にしたことはありませんか? 日本語で「生活の質」と訳されているこの言葉は、近年の医療現場において非常に重要視されている概念です。
広島県三次市の歯医者「まつお歯科医院」では高齢者歯科に力を入れており、「クオリティ・オブ・ライフ」を高めることを目的とした歯科診療をご提供しています。年齢を重ねた高齢者の方でもより快適に、より楽しく、より生きがいのある暮らしを実現できるよう、当院がサポートいたします。
クオリティ・オブ・ライフ~Quality of Life~
かつて医療行為は、「人がいかに自立して日常生活を送れるか」という身体的機能に重点を置いて行われてきました。しかし近年では、それに加えて「いかに生きがいや幸せを感じられるか」といった精神的機能も注目されるようになってきています。つまり、ただ「生きることができている」のではなく、「充実した生活を送ることができている」状態へと導くことが本当に質の高い治療だと考えられるようになっているのです。
たとえば、食事や会話などの日常行為がままならないという状態であれば、質の高い生活を送れているとはいえません。自分の歯で好きな物を食べ、ご家族や友人と不自由なく会話ができる――。美味しい食事や楽しい会話をするためには、健康なお口と丈夫な歯が欠かせないのです。当院では「ただ治療する」のではなく、患者様の「クオリティ・オブ・ライフ」の向上にこだわった歯科診療のご提供に努めています。
高齢者歯科とは?
「高齢者歯科」とは、高齢の方が健康的な口内環境を維持し、よりいきいきとした生活を営んでいただくために必要な歯科診療をご提供する診療メニューです。虫歯・歯周病の治療や歯のクリーニングだけでなく、顔や舌の体操、だ液腺のマッサージといった、お口の機能を向上させるためのケアやリハビリテーションも行います。年齢に合った診療を行い、何歳になっても健康的で質の高い生活を送っていただくことが、高齢者歯科の目的です。
年齢に伴う口腔環境
年齢を重ねると、運動能力や免疫力が低下するなど、さまざまな部分に変化が生まれます。それにともない、口内環境にも次のような変化が見られます。
- 残存歯の減少
- 歯根部の虫歯
- 歯の咬合面(咬み合う部分)のすり減り
- 歯の表面の摩耗
- 歯並び・咬み合わせの乱れ
中でも顕著なのが、残存歯の減少です。成人期には親知らずを除いて28本あった歯も、70歳代後半になると平均10本以下にまで減ってしまいます。歯の減少は摂食にも影響し、栄養が不足するなど身体的な問題にもつながってしまうのです。
高齢者の口腔内の問題
口腔環境が変化することで、高齢者のお口の中では次のような問題が起きてきます。
- さまざまな治療を重ねたことによって、たくさんの詰め物・被せ物がある状態になり、また入れ歯の方も多く、スムーズに咀しゃくできなくなります。
- 本来お口の中では自浄作用を持つだ液によって汚れが洗い流されますが、運動障害やまひなどが起こると、だ液の自浄作用が低下してしまいます。
- 自浄作用や抵抗力の低下によって、虫歯や粘膜疾患が増えます。とくに虫歯は、歯ぐきが後退することによって歯根部分にできたり、詰め物や被せ物の中に隠れてできたりするケースが多くなります。
- だ液の分泌が少なくなることによって、お口の中に汚れが残りやすくなります。また食べやすいよう、きざみ食や、とろみをつけた食事をとる方は、よりお口の中が汚れやすくなります。
- だ液の分泌量減少や内服薬の副作用などにより、口内が乾燥しやすくなります。それによって、咬む、飲み込む、発声するといった行為がスムーズにできなくなったり、入れ歯が装着しにくくなったりすることもあります。
口内機能低下のサイン
口内機能が低下するころには、日常生活でも次のようなサインが見られます。一度チェックしてみましょう。
身体的なサイン
- 階段を、手すりや壁をつたって昇るようになった
- 長時間にわたって歩くのがつらくなった
- 転ぶこと(つまずくこと)がよくある
食事にまつわるサイン
- 食事を1日3食規則的に食べていない
- 体重が大きく減少した
口内の状態に関するサイン
- 硬い物が食べにくくなった
- 汁物などでむせることがある
- 口が渇きやすくなった
記憶力についてのサイン
- 「同じことを話している」などと人にいわれることがある
- 物忘れがある(多いと指摘される)
気持ちの面でのサイン
- 何事も以前より楽しめなくなった気がする
- 理由なく疲れたように感じる
歯と身体の健康の関係
歯の健康は、身体の健康に大きく関わっています。たとえば、お口の治療を行うことで次のような効果が現れます。
糖尿病の進行が抑制される | 歯周病と糖尿病は、互いの発症や悪化を招き合う深い関係にあるといわれています。そのため、歯周病の治療を行うことで糖尿病の症状に改善が見られることがあります。 |
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心臓の病気が予防される | 歯周病菌がお口の中から血管に入り込むと、血栓ができやすくなります。それによって心筋梗塞や狭心症などが引き起こされることも。歯周病治療を行うことで、これらのリスクを下げることができます。 |
入れ歯治療について
高齢者の口内機能を回復させる治療として代表的なものに「入れ歯治療」があります。入れ歯は、一人ひとりのお口に合ったものをつくり、口内の変化によって調整・つくり直しを行っていくことが大切です。
入れ歯の種類(保険と自費)
入れ歯には、保険が適用できるものとできないもの(自費診療になるもの)があります。自費診療の入れ歯であれば、保険のものよりも審美性や機能性などを追求することができます。
保険の入れ歯 | 【レジン床入れ歯】 |
床部分がレジン(歯科用プラスチック)でできた総入れ歯です。床部分が厚いため装着時に違和感が強いことがあり、見た目や咬み心地も劣ります。保険が適用できるため費用が抑えられ、修理が簡単な点がメリットです。 |
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心臓の病気が予防される | 【金属床入れ歯】 |
床部分に金属を用いており、薄くつくれるためも軽くて丈夫なのが特長です。また熱伝導率が高いため、食べ物の温度を感じやすく、食事を美味しくとることができます。 |
【ノンクラスプデンチャー】 |
保険診療の部分入れ歯にある、金属のバネをなくしたものです。歯ぐき部分がやわらかいシリコンでつくられているためフィット感がよく、バネがないため目立ちにくいのがメリットです。 |
入れ歯の種類(保険と自費)
メリット |
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デメリット |
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